タメンタイギャラリー鶴見町ラボ
2024.12.13 [Fri] - 2024.12.22 [Sun]
高松明日香
高松明日香「像の筆触 Brush Strokes of Images」をタメンタイギャラリー鶴見町ラボで開催します。
高松明日香は、舞台や映画のワンシーン、そして日常の風景から場面を切り取り、絵画として発表してきました。断片的な情景を描き、組作品として壁面に構成することで、水面や空といった身近なモチーフを含む数々の場面と場面の差異と類似性をゆるやかに結びつける展示方法も特徴です。尾道市立大学と同大学院で絵画を学んだのち、現在は地元である香川県を拠点に各地で展示を重ねています。
これまで西洋の情緒漂う匿名の風景を描くことが多かった画家でしたが、最近はインスピレーション源を明かした制作にも取り組んでいます。2024年春に大原美術館(岡山)で開催された「AM倉敷(Artist Meets Kurashiki) vol.17 高松明日香―光は世界を駆け巡る」では、発想源とした美術館所蔵品を自作と取り合わせ、独自の見立てを構成しました。2024年10月開催のGALLERYエクリュの森(静岡)での個展「青みのダイダイ Orange in still Green」では、小豆島を舞台にした1954年の映画「二十四の瞳」に着想を得た作品群を発表しています。
2023年のDEJIMASTOCK「ART×INTERIOR #4 高松明日香」以来の広島での展示となる本展では、1959年公開の映画「ヒロシマ・モナムール」(邦題:「二十四時間の情事」)と、クリスト《梱包されたポン・ヌフ》に着想を得た作品群を展示します。日本とフランスの合作映画「ヒロシマ・モナムール」は、被爆地を舞台にしたラブロマンスで、公開前年の広島市の様子を映した場面が数多く登場します。この映画については、2022年の平井亨季・吉田真也「歩行の筆跡(ディスクール)」における吉田真也の作品ならびにトークイベントでも扱っており、本展にも影響を与えています。また、クリストのプロジェクトを扱ったシリーズは、大原美術館での展示企画でも《橋が架かる》と題し発表したものです。セーヌ川に架かるポン・ヌフを布で梱包するプロジェクトのためのドローイングやドキュメント映像から、都市の景観に介入する手つきを多角的に描き出します。
映像の持つ力を絵画とすることや、他者のまなざしを描き直すことによって、見慣れた風景のイメージも新鮮なものと映ることでしょう。会期は2024年12月13日(金)から12月22日(日)までです。ぜひお越しください。
略歴
主な展示歴
コミッションワーク
パブリックコレクション
主な受賞歴