地域の文化資源に関する自主調査レポート「広島の地域課題を文化と図書館から考える」を発表しました。広島県では5年連続転出超過全国ワーストとなるなど、人口流出が課題となっています。公演の「広島飛ばし」が取り沙汰されるなど文化面の課題も認識されていますが、問題を適切に把握するためにはより広範な視点から文化的な充足度を捉える必要があります。そこで、広島市立中央図書館の移転と再開館を控え、知的・文化的刺激と図書館への意識をめぐる広島の状況をインターネット調査により比較・分析しました。
【主な調査結果】
- 刺激や学びは居住継続の理由にはならないが出ていく理由として顕著
居住継続に積極的な理由として「自分の関心や価値観を満たす活動や刺激が得られている」を選んだ広島県民は7%(全国43位)。居住を継続しないと回答した層では49%が「日常生活の中で刺激や学びを得られる機会が少ない」を離脱理由に挙げており、全国14番目に高い水準。

- 図書館への関心・利用頻度は全国平均以下
刺激や学びを得る場として、広島県民の図書館・書店の利用頻度および図書館への関心はいずれも全国平均を下回った。なお、音楽ライブ・コンサートの割合は全国平均並み。
- 市民の図書館イメージは「機能」に閉じている
広島地域の住民が図書館に抱くイメージは「本・資料」「静かさ」「学習」といった設備的・機能的側面に偏っており、「文化や歴史」「新しい発見」「人や活動のゆるやかなつながり」といった社会的・文化的ハブとしての役割認識は希薄。国内外で図書館の機能が都市の文化的ハブへと拡張するなか、広島ではそのイメージ転換が十分に進んでいない。

- 文化への充実感は住民の「将来肯定感」を左右する
下記3要素の充実度が高い地域ほど「この街の将来にワクワクできる」という住民の将来肯定率が有意に高くなる。
① 行政が文化芸術を重視していると住民が感じられる
② 「この街はこういう文化の街だ」と住民自身が語れる
③ 生活の中で文化芸術が身近に感じられる
【調査とレポートについて】
レポートはこちらからダウンロードできます。
本レポートは下記のインターネット調査の結果に基づきます
- 地域のアートシーンについての調査|2025年12月~2026年1月 対象:全国20-69歳男女 7000人
- 図書館の役割に関する市民意識調査|2026年3月 対象:広島県在住20-69歳男女 1700人