
大石彩加の個展「やわらかな波間を泳いだら」をタメンタイギャラリー鶴見町ラボにて開催します。
大石彩加は、着彩した布によるインスタレーション作品を制作するアーティストです。京都で染織を学んだのち、現在は広島市を拠点に活動しています。
本展では、布の両義性を扱います。布の表と裏、動と静、平面性と立体性といった相反する特徴について、両者を往来するように制作した作品を発表します。風にゆらぎ、しわを寄せ、染め付けたイメージは変化してしまう布は、支持体としては不安定なものです。大石彩加はそんな「ぎこちなさ」と戯れるように、両面から染めたり、あえて色移りの痕跡を残したりすることで、平面がゆらぎ、動く感覚を留めようとします。うねりとうねりの間で、布が平面でなくなる瞬間のやわらかさとはかなさをぜひご覧ください。
- 私は布を縫い、染めています。糸や染料を表から裏へ、裏から表へと行き来させます。こちら側から向こう側へと流れる色を追っていくことで、次第に裏表という秩序が揺らぎ、布と身体がゆるりと溶け合うような感覚になるのです。
大石彩加
会期は2023年3月17日(金)から4月2日(日)まで。長期改修工事を終えた近隣の広島市現代美術館では、リニューアルオープン記念特別展 “Before/After” が3月18日(土)より開催されます。春の比治山や京橋川の散策とあわせて、ぜひ足をお運びください。